白樺派の文豪として知られる武者小路実篤が大正7年に始めた「新しき村」と“二項対立”

「新しき村」と、いうのが、今も宮崎県と埼玉県にあることをネット・サーフィンをしていて知った。「新しき村」とは、理想郷(ユートピア)を目指して作られた村のことだ。中国の言葉では桃源郷。西洋の言葉でユートピア、シャングリラ、黄金郷のエルドラドなんてのもある。

ユートピア(理想郷)は、この世には、元々あり得ないものだから、理想郷(ユートピア)っていうですよ。日本が平成の時代に入った1989年、世界ではベルリンの壁が崩壊した。米ソの冷戦時代は終焉したと言われた。でもね、世の中には所詮、“二項対立”という物理的なシステムは存在し続けるものなんです。陰陽師の陽の世界と陰の世界が、交互に起こって縄を編むように繰り返すのが世界というものだ。“二項対立”は物質的な真理で、普遍のものです。人がモノを得ようとすれば、失う人が反対側にいる。細胞の浸透圧の原理に、細胞の膜を通過して中へ入り、濃度や圧を上げようとする力が働くと、内側からそれに抵抗する作用が起きる。

カルト宗教の教祖が捕まって、来年で二十年になる。体制側に付く人がいれば、反体制に動く人が出るのは当たり前のことだ。これも二項対立の原理でそうなる。

その人にとっての正義と、それを妨げる行為をする人の正義とは、二項対立する。自分にとっての正義が反対側から見れば、悪になる。そしてその逆もある。

正しい道理(義理)は、二項対立の、おのおのの歩み寄りの中で生まれるもので、絶対正義なんてものは、この世にはない。だから人は世間様(社会)の一員として生きる。

人が何を信じるかは、その人の自由だろうが、自分たちだけが、絶対正義で、理想郷をつくるために、邁進している。そして、その手段として、自分たちは無政府主義(アナーキーイズム)を実践するとやってしまったのが、オウム真理教の姿だ。

ユートピア幻想の裏返しが、テロリズムに等しいアナーキーイズムだった。

理想郷「新しき村」はもうすぐ百年になる。日本人のメンタルは、余り昔と変わらないのか、変わったのか?愚かなわたしは、自分のぶんを守って生きることしか知らない。


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武者小路 実篤


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