お爺さんお婆さんの子育て、今の子育て

電車の中で、2、3才の幼児が自分の背中に小さな子供用のリュックサックを背負っている姿を見かけることがある。中にはその子供が使う飲み物やお菓子、ハンカチなどが入っている。

背負うと言えば、昔のお母さん達は、赤ん坊を背中に背負っていた。ウチの母親などは、寒い時期になると更にその背負った子供の上に“ねんねこ半纏(寝んね子ハンテン)を掛けていた。

赤ん坊を背負うと、お母さんの両手が自由に空くので、作業がしやすい。母は子供を背負って手に手提げ袋の大きな物を二つくらい下げて、それに子供の物も入れて、外出したりしてた。

今時のお母さん達は、抱っこ紐を使って前に子供を抱えている。不注意で子供を落として仕舞う話を聞いたことがあった。負んぶ(おんぶ)ならそのリスクは減るのではないかと自分などは思う。

電車の中で、小さな自分の物を入れたリュックを背負っている幼児を見て、私は何か微笑ましい気持ちになった。自分の荷物は自分で背負う様に、仕向けているお母さんの育児の姿勢のようなものを感じて…。今は解らなくても、自分の人生は自分で背負うことを知る時期がくれば、この姿はとても意味のあることだと思った。

我が家には、お餅を一升ついて、それを1歳の幼児である私に背負わせ、ちゃぶ台の回りを伝い歩きしている様を写した写真が残っている。一升の重さ(分量)のお餅を“一生持ち”という言葉に掛けた、昔からある風習だ。

人生は、荷を背負って道を歩くことに似ている。荷の重さのありがたみを知ることが出来る人生が幸せなことだと、自分は五十数年生きてきて思う。だから電車の中のリュックを背負った幼児を見るのが自分は好きなのである。何か、今風な感じもして面白い。親が子に、自分の人生は自分でしっかり背負えと言っている様で…。

昭和の子供であった、自分の想い出に、ダッコちゃん人形と、籐で編んだバスケットというのがある。ダッコちゃん人形は、昭和35年くらいに確か流行したビニールで出来た黒ん坊のお人形である。我が家にもあった。

それともう一つ親が当時4、5才だった私に買ってくれた、籐で編んだバスケット(かばん)がある。自分は今の皇太子殿下と生まれ年が同じであるが、ある時、テレビでその浩宮さんが、ちょうど4,5才くらいで、籐のバスケットを持ってお出かけされる様子を映した映像を何かの拍子に見て、ああ、ウチの親は、これにあやかって、私にも買ってくれたのだと、後になって理解したことがある。

私が幼稚園の頃、確かにそのバスケットの中には、高度経済成長に湧く昭和の夢が入っていたように思う。今の電車の中の、アニメ漫画の絵の付いた可愛いリュックを背負った子達にも、明るい未来が来るようにお祈りしている。









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河合 隼雄


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