“意識高い系”と、「言い触らし団右衛門」の末路


言い触らし団右衛門 (中公文庫)
中央公論社
司馬 遼太郎

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歴史時代小説家の大家である、司馬遼太郎の著書に「言い触らし団右衛門」という短編集がある(中公文庫)。剣豪・宮本武蔵の諸国修行行脚の物語は、己の道を極める求道精神の美学を謳っているが、司馬さんのこの小説は、そのスピリットを裏返したら、どうなるかを語っている。主君に認められんがために、己の剣術の才覚をピーアール、吹聴して生きる団右衛門の滑稽なさまの最後は、涙ぐましい売名行為の果て、それがために命を落とす。

名を売るとは、自分自身を売り物に出すことだが、商売は売る品物でするものだ。品とは技術、芸などもこの場合含まれるのだろうが、お客の商品の発注があって自分の儲けになる受注にいたる。経済活動は需要があってそれに供給することで成り立つ。

やれ、Facebookだ、ブログだ、SNSだ、ソーシャルだと云っても、webのパソコンのただのぺらぺらな箱の中に、文字列や画像があるだけの世界のことだ。そこに己の社会的存在を求めて、たぶん誰かしらがwebの中の自分を見ていると、大いに錯覚して、へんに自意識高くなっている昨今の一部のネット・ユーザーの若い人に、あんたは、ただ自分の名前を売るがためだけに、人生を終えるのかいと云いたい。

「インターネットは、からっぽの洞窟」という題名のアメリカの本がある。パソコン通信の文芸賞コンテストから芥川賞作家になった川上弘美さんの云った言葉に「あるような、ないような」っていうのがある。ネットの世界を指していったものだ。自分は長いことネットにログをアップロードしているけど、これらの発言はすべてゲリラ(局地的・散発的戦闘)だと思っている。

司馬遼太郎さんの「言い触らし団右衛門」中公文庫で、620円。いっぺん読んでみて下さい。(笑)


インターネットはからっぽの洞窟
草思社
クリフォード ストール

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