囲碁の三劫(サンコウ)と人間の営み(世相)を考える。

 囲碁は碁盤の目の中に、黒と白の石を二人の指し手が交互において、互いに相手の地を囲んで勝負をつけるテーブル・ゲームだ。相手の囲った陣地を、囲い返す時に、コウと呼ばれる石の並びが出来る。

 コウ(劫)とは、未来永劫の「劫」から来ているその言葉の通り、取っては取られの繰り返しを永遠に続けることになる石の配置で、それを回避するためにわざと劫立てというルールが設けられている。永久の取っては取られの繰り返しを一旦止めて、よその地にあえてあたらせるものだ。

 碁盤の目の数(交点の数)は19×19=361目(モク)。古来には占星術とも関連づけられた。そのコウ(劫)の並びが、361目の碁盤の宇宙の中に一度に3箇所も出来てしまうことを三劫という。滅多に現れる棋譜ではない。歴史上では本能寺の変の直前に、信長の御前碁で現れたと言われる伝えがある。対戦した二人の僧侶は三劫無勝負のまま不吉な予感を察し退出したと言われます。

 俗にいう“三すくみ”。3箇所(三者)での、未来永劫の行き詰まりの状態です。それを打破するためには、もはやこの世の人知では、いかんともし難い。異変がおこらざる終えないのかもしれません。

 未曾有の大震災のあと、日本の政権はあざなえる縄のごとくに流転して、人間の幸不幸の表裏は、一寸も予測できないような世となった気がします。おのれが身を正すのは、何も政治家だけに限ったことではないはずです。

ヒカルの囲碁入門
集英社
石倉 昇


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