葉隠(はがくれ)の武士道と、忍ぶビジネス

 小説家の三島由紀夫が自分の座右の書であると言い、入門・解説書も著している『葉隠』は、「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の一節で有名な江戸時代前期に書かれた、佐賀鍋島藩・武士の教訓書である。
 
 原書は、古文の読解力を必要とするので、自分には到底、手が出ないのだが、そのエッセンスが知りたくて、以下の二冊の文庫本を購入した。ちなみに三島の「葉隠入門」は自分は未読である。(理由は物騒で偏っていて、怖い気持ちがするので)
 
 ◎中公文庫(マンガ日本の古典)『葉隠』著者:黒鉄ヒロシ(\590+税)は、「葉隠」に対峙する姿勢として、親切で素直な本であると思う。葉隠のエピソードを掌編に区切って描いた漫画である。

葉隠―マンガ日本の古典 (26) 中公文庫
中央公論新社
黒鉄 ヒロシ

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目次:夜陰の閑談/聞書一(武士道といふは、死ぬ事と見付けたり)/聞書二(恋の至極は、忍恋と見立て候)/聞書三~十一(勝ちといふは、味方に勝つ事なり)/山本神右衛門常朝の事/あとがき/参考文献 


 ◎三笠書房「知的生き方文庫」/奈良本辰也訳編「現代語で読む『武士道』の神髄・葉隠」(\571+税)、本書の帯には人間の「覚悟」と「信念」。「どう生きるか?」「どう処すべきか?」を教えてくれる、男の教科書とある。葉隠の原書をビジネス向け人生指南書の観点から、編み直して著してある。

葉隠 (知的生きかた文庫)
三笠書房

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 目次
 第一章:いかに「生きる」か
 第二章:いかに「覚悟する」か
 第三章:いかに「仕事する」か
 第四章:いかに「人と付き合う」か
 第五章:いかに「自分を高める」か
 第六章:いかに「運をつかむ」か

※「葉隠」は強く生きるための「実用書」である!
 
 言葉の作法:「いらぬこと」で敵をつくらない
 議論の技法:ときに「黒を白」と考えてみる
 人を使う技法:「甘すぎず、辛すぎず」の加減
 忠告の技法:「渇いた喉に水がしみわたるように」
 酒席の心得:「盃」をどこでおさめるか…

等の項目的な翻訳・解説が著されている。

 これらの文庫本を読んで、自分が感じた「葉隠」のイメージは、佐賀鍋島藩の武士である山本神右衛門常朝の藩主に仕える想いとは、すべてこれ『忍ぶ心』であると思った。この二冊の文庫本には、原書にあるものが割愛されている部分もある。(恋の至極は、忍恋と見立て候)のくだりなどはあまり出てこない。三島が本書を愛する片一方の理由は、このあたりにあるのかな?などと想像をする。

葉隠入門 (新潮文庫)
新潮社
三島 由紀夫

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